@article{oai:ir.ide.go.jp:00048945, author = {Darwisheh, Housam}, journal = {中東レビュー}, month = {Mar}, note = {application/pdf, ZCR201703_011, 今日の中東諸国において、エジプト、シリア、イラク、リビア、イエメン、アフガニスタン等、統治体制の困難を抱えている国々は地域的な暴力主義の温床となり、ニューヨーク、ロンドン、マドリッド、ジャカルタ、ニューデリー、パリ、ブリュッセルなどを標的にした国際テロリズムの震源となってきた。これらの背景には社会的な極度の不平等・貧困の問題があるのであり、単に安全保障上の観点のみの対応策では体制の権威主義化を助長することで社会の矛盾を拡大させ、過激主義の拡大に資するだけである。アラブ世界の諸国家はかつては過激な「アラブ民族主義」の主張で国民の支持を得てきたが、それらの一部は莫大な石油収入に頼ることで国民との正常な関係の構築に失敗し、少数の支配者層による権力の独占に終始してきた。その結果として現在中東地域の若年層は、世界でも最も自らの社会経済から疎外され、抑圧された状況に置かれている。エジプト・イラクなどの各国では伝統的な農業生産の基盤が長期的に破壊され、食料の多くを輸入に頼るに至っている。域内の各国はこうした現状に対処するどころか全くの機能不全に陥っているのである。さらに2010 年末以降の短い「アラブの春」によって覚醒した若者の一部は、その後の政治状況の暗転のなかで「イスラーム国」などに流入し、アフマド・ダッラーウィーのように悲劇的な最期を迎えた例もある。これまで米国の対中東政策は成功してきたとは言い難く、むしろ新たな紛争の火種となる社会の分裂と対立を助長することに終始してきた。その最終的な帰結ともいえる「イスラーム国」の問題を乗り越えるためには、軍事的な対抗手段に訴えるのではなく、経済成長と分配の平等、国民に開かれた民主的統治システムなど、まさに「アラブの春」で希求された理想の実現を図っていく以外にはあり得ない。}, pages = {54--60}, title = {Violent extremism in the Middle East and North Africa -- revisiting conditions and rethinking solutions}, volume = {4}, year = {2017} }