@article{oai:ir.ide.go.jp:00040656, author = {寺本, 実}, issue = {1}, journal = {アジア経済}, month = {Jan}, note = {PJa/33/Aj11, application/pdf, ZAJ201201_002, ベトナム戦争において,1961年8月~1971年2月までアメリカ軍による枯葉剤の散布が行われた。また,南ベトナム政府軍は同政権が崩壊する1975年まで枯葉剤の散布を続けたとされる。同剤の散布により,軍関係者・民間人を問わず,非常に多くの人々が健康被害を受けた。その被害は現在もまだ続いている。これまで多くの人がこの問題に関心を寄せてきた。そして従来の先行文献に敬意を表する。しかし,ベトナムにおける対枯葉剤被災者扶助制度の具体的な内容とその変容について,また,枯葉剤被災者が実際にどのように生活を営み,被災者の生活を取り巻く各主体がそれぞれどのような役割を担っているのか,そして,扶助制度がかれらの生活においてどのような役割を担っているのかについて,十分に調査研究がなされてきているとは言い難い。本稿はこれらの課題について,現地調査と現地資料に基づき,実証的に明らかにすることを目的とする。今研究を通して,制度適用対象の限定性などの課題が残るものの,政府により全国レベルでの枯葉剤被災者扶助制度が2000年に初めて公式に示されて以降,その内容が拡充されてきていることが明らかとなった。また,枯葉剤被災者扶助制度を受給している人たちについては,「家族,国(政府)が被災者の生活を支えるうえで中心的な役割を果たしている」と認識しており,その役割の内容については,「家族」は全般的,特に被災者に対する「ケア」,「国」(政府)は「経済」と「医療」(特に「経済」)といった物質的側面において,おもな役割を果たしていることなどが見出された。扶助制度の適用対象の限定性緩和など,制度の改善も含めて,ベトナムが今後も取り組みを継続すべき課題のひとつとして,枯葉剤被災者問題は存在し続けると考えられる。なお,本稿はアジア経済研究所2010年度「ベトナムの対枯葉剤被災者社会政策に関する考察」研究会の成果の一部であり,2011年2月17日に担当課に提出された。本稿の内容はこの執筆時期に拘束される。その旨,あらかじめ記しておきたい。}, pages = {2--34}, title = {ベトナムの枯葉剤被災者扶助制度と被災者の生活 -- 中部クアンチ省における事例調査に基づく一考察}, volume = {53}, year = {2012} }